花嫁と咎人

余りにも真剣なその視線に、何故だか俺の方がたじろいでしまって。

なんで今日の夜?と理由も聞けずにフランは立ち去ってしまう。

…そう、両耳を引っ張ったまま。


「んだよ…、アイツも胸焼けしてんのか?」


そして再び部屋に戻ると。


「ハイネ、お前は罪な男だ。」


突然オズに言われてハァ?と首を傾げる。


「オレ、分かっちゃったよ。分かっちゃったよもー!」


そう言ってオズは暴れまくり始めた。

…何だ?
一体この馬鹿は何を…。


「あーもう悔しい!お前ばっかだ!いつもお前ばっか!」


しかも何故か目に涙を浮かべている。


「なんでオレじゃないの?」


そしてどうしたのか、ボロボロと経ったまま大粒の涙を流し始めて。


「おい、今のアンタ…相当キモイぞ。」


「うるさいっ!お前にオレの気持ちが分かってたまるかー!」


言えば言ったで荷物をボコボコと投げてくる。

こいつ、変!


「確かにオレは馬鹿だよ!アホだよ!ドジだし間抜けだし、変態だし!女癖悪いけどさあ!」


挙句の果てにふーっと言って座りこんでしまって。


「でもさー…何で…。なんでいつもお前なんだよ、おかしいよ。あの時もお前、あの時もお前、お前お前お前!」



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