花嫁と咎人
◆ ◇ ◆
「あーもう、ヤダヤダ。二人で仲良く寝転がっちゃってさ……何でアイツばっか…」
「ホントお前ヤキモチ焼きだな。…しっかりしろよ、失恋もまた恋愛の醍醐味さ。」
そんなオズとジィンは、気の根っこから二人を覗いていた。
背中には全員分の大きな荷物。
いなくなったハイネを追い掛けてやって来たはいいが…荷物を殆ど運ぶハメになってしまってしまった。
「でも、絶対おかしいって。なんでいっつもアイツばっかモテんの?」
「お前がキモいからだろ。」
「きっ…キモい!?このオレが!?」
そして再び泣きべそをかき始めるオズ。
「まぁまぁ、そう落ち込むなって。フランが駄目でもアタシがいるだろ?」
「え?何…ジィンちゃんオレの事好きなの?」
「は?え、あ、さ、さぁね…」
マジで!だなんて喜び始めるオズだが、これはジィンの優しさであり本気ではない。
…こんな尻軽男誰が好きになるかよ。
これが彼女の本心である。
そして暫く経った後、落ち着いたフランとハイネを連れて無事“審判の洞窟”を抜けた一行。
「アーニャにはキツく言っておくから…まあ今回は見逃してやって―…って言えるほど小さな問題でもないんだけどさ…。」
ジィンはそう言って申し訳なさそうにするが、ハイネが「もういいよ、気にすんな」と言った事で、事態はなんとか丸く治まりそうだ。
「…ジィン、色々とありがとう。あなたには本当に感謝してるわ。」
そして次にジィンとフラン。