花嫁と咎人
…薬か?
フランはありがとうと言って、それを瞼に塗った。
その刹那。
「ひ、ひゃぁぁぁぁぁ!」
フランの顔がとんでもない事になって。
「ぎゃぁああお化けー!」
まるでムンクの叫びのような表情をするフランとオズ。
「おいオッサン、何渡したんだよ!」
俺が慌てて問いかけると、ジャックはガハガハと笑って、
「ハッカの成分が入った痒み止めさ!あの譲ちゃん中々面白れぇな!」
そう言う。
「お、面白くねぇよ…!ちょ、洗面台!」
慌てて俺は近くの水道へとフランを連れて行った。
ひたすらひゃぁぁああと叫ぶフランをみて、心配だが、どこか新鮮で笑えて来て。
「…く、くくく…」
フランの瞼を洗ってる最中に、力が抜けてしゃがみこんで笑ってしまった。
そんな俺を見てぽかーんとした表情をするオズとフラン。
「ふっ、ふふっ…」
くそ…腹筋が痛い。
「……ハイネって、そんなに笑うのね。」
「あ、ああ…オレも初めてみたよ。」
…俺も久しぶりにこんなに笑ったよ。