花嫁と咎人
◇ ◆ ◇
オーウェンは極端に数が減った王国騎士団をつれ、毒蛇の森の中にいた。
「…やはり、これは無謀だったのでは…。」
毒蛇の毒にやられて息耐えた仲間を見下ろしながら、副団長は声を濁らせる。
「どのみち砂の町“サザルツ”に行っていても、同じ事だったに違いない。」
そうだ、ここで足を止めるわけには行かないのだ。
「とりあえずこの森をいち早く抜ける。」
オーウェンは先を見据えた。
未だ木々が続く森の中。
…こんな所でくたばる訳には行かない。
「何としてでも諦めるな…!」
そして再び足を進めた。