花嫁と咎人
…そういえば確かにそうだった。
初めから嬢ちゃんって言われてたわ…。
嗚呼、私の男装ってこんなにもバレやすいのね…。
「とりあえず…フランは女のままで、妙な否定はしなかった。後々理由とか聞かれると厄介だからな。」
とりあえず早く服を着ろと言って部屋を出ようとするハイネ。
だが、
「なんだ、フランちゃんてっきりハイネと昨日の夜ヤ、」
その瞬間彼はオズの頭を蹴り飛ばした。
「ってねぇよ…!」
若干怒り気味にハイネはそう言うと、ズカズカと歩いて奥の部屋へ行ってしまう。
と同時に安心する私。
ハイネがアレだけ否定するって事は、本当に違うのね…。
でも、昨日の記憶が曖昧なせいか…まだ不安は残って。
「…とかいってさぁ?」
懲りないオズは私をまじまじと見るが、次第に「ちぇっ本当に無いじゃん」とつまらなさそうに部屋を出て行く。
「昨日はあんなに積極的だったのにー。」
と言う意味深な言葉だけを残して。
途端私は首を傾げた。
“昨日はあんなに積極的だったのに”?
積極的…って、
何が!?
一体何が…!?
ジャックさんにお酒勧められて、断って、でも薦められて断りきれなく一口…
二口…三口…、
「…それから何も覚えていないわ…!」