花嫁と咎人
ふらふらとよろめきながら、ベッドに座り込んでしまう私。
そんな私を支えるようにして、オズも座り込む。
「や、でもさほら!相思相愛ならなんだっていいじゃん?ね?」
必死にオズがそう言ってくれてるけれど、私の口からはもう、魂が半分くらい抜け出してしまっていて。
目の前では花火が上がっている。
でも積極的の意味が分かった。
「…そう言うことね、オズ。…ありがとう。」
そう立ち上がろうとした時、オズが私に声をかけてきて。
「あ、あのさフランちゃん…そんな時にすげぇ申し訳ないんだけどぉ…。実は前髪にピンが絡まっちゃったみたいでさ…。」
良かったら見てくんない?と言われて視線を彼の髪に移す。
「…ぴん?」
よく見るとオズの言ったとおり、長細い髪留めが見事に前髪を巻き込んでぐちゃぐちゃになっていた。
わぁ…ちょっと痛そうだわ。
私は慣れない手つきでそれを慎重に解き始め、
5分くらい奮闘した後、ようやく髪はそれらから開放された。
「取れたわ、オズ!」
一人で達成感に満ち溢れていると…突然オズに腕を引かれて―…
「…!」
額に、キス。
慌ててオズを見る私だけれど、彼は笑ったまま。
「お礼のキスくらいいいでしょ?」
その上そう言って…
「オ、オズ、」
また優しく笑いかけてきた。