花嫁と咎人
中でもコレットは口をあんぐりと開け、目をこれでもかと言うくらい開いて驚いている。
次第に体が震え…
「な、なんで…女神様と、一緒、」
まるで幽霊を見るかのような目付きで彼を見た。
だが、ハイネはそんなコレットを見ると、
「シャベル、貸せ。」
たったそれだけを言いっては佇む。
「―…ハインツ、」
「全部この弟から聞いた。」
オズが視線を向けると頷く彼。
「今までの全て。―…何処で出会ったのかも。」
長いまつげがゆっくりと下がり、その青い瞳を覆い隠す。
だが、その瞳の灯火は消え去るどころか煌々と揺らめいて。
「…、ハイネ…」
ハイネはコレットからシャベルを借りると、家を出ようとするが、
「…それで、どうするんだべ…!」
コレットに大声で叫ばれて足を止める。
「もしかして女神様の墓、掘るんじゃねぇべな…!そんな事、おらが許さん!」
振り返るハイネに激高するコレット。
コレットはもはや泣く寸前の表情で言った。
「…あんた、一体何なんだっぺ、どうして女神様と一緒の髪を持ってるんだ…?」
コレットのおののく声と、そんな彼女にしがみ付くレネの姿が目に焼きつく。
確かに、今まで世話になってきた人の墓を突然見知らぬ人に掘り返されたら…たまったもんじゃない。
でも、仕方が無いのよ。
だってその人は―…。