花嫁と咎人

オーウェンの質問攻めに少々顔を渋らせるジャックだが、


「んー…一人の男は物静かで、青い目をしてた。もう一人はやかましい奴で、ダークブラウンの瞳と髪。女の子は栗色の髪で、緑の瞳…凄く可愛い子だったな。」


なんだかんだいって、てきぱきと答えてくれる。

瞳の色が青色の男、栗色の髪に緑眼の少女。

―…間違いない。
これは死刑囚と女王だ。

そしてもう一人の男は途中で加わった仲間、と言った所だろうか。


「ありがとうございます。もしかして、名前をご存知ですか?」


これは駄目もとで聞いてみたが、


「レオと、フィーと…あともう一人はハイ…、ハイなんとかって呼ばれてたわね。」


思いがけずリサが発言。

…それにしてもこのネーミングセンスの無さはなんだ。

偽名を使うにせよ、もっとマシなものがあっただろうに。


だが、これで確定した。
一向はここに立ち寄り、ジャックの家に泊まったのだ。

…問題はその後何処へ行ったか。


「その旅人達が何処へ向かったか知っていますか?宜しければ、それも。」


唸るジャック。

さあ、早く言え。

そして彼は口を開いた。


「“悪魔の子”の家に行ったよ、金髪の怪我した男と一緒にな。」


金髪の怪我した男と一緒に…だと…?

刹那、笑いがこみ上げてきた。

まさかこんな事があってもよいのだろうか。


悲劇か、喜劇か。


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