花嫁と咎人
するとオズは、
「……、」
無言でハイネを抱きしめた。
「…必ず届ける。だから、お前も…最後まで頑張れ。」
そして体を離すと、ハイネの胸を拳で小突いて。
「サヨナラは言わないから。」
対して笑うハイネ。
「誰が言うかよ。」
それから、オズは体を反転させ足を進めようとするが…
「……オズ!」
私が引き止めてしまって。
「…ん?どうしたのフランちゃん。」
振り返り、にっこりと微笑むオズを見て、思いがけず口から飛び出したのは、
「また…会えるかしら…」
別れを惜しむ言葉で。
鼻の奥がツンとして、無性に瞳が潤んできた。
「私、オズと離れるのが寂しいわ…。あなたがいると、とても楽しく毎日を過ごせたから…」
いつからか、私達は固い絆で結ばれていたのかもしれない。
また会いたいと心から願ってしまう。
「…これっきりでお別れなんて、絶対に嫌。」
そう、また3人で楽しく騒ぎたい。
…こんな事思ってしまう私は駄目な人間かしら?