花嫁と咎人

「もー、フランちゃんってさ、」


すると、そう良いながらオズが歩み寄ってきて。


「ホント罪な女の子だよね。」


そう言っては私の髪をくしゃりと撫でてきた。

それから私と同じ目線までしゃがむと、額を小突き…


「そんな顔でオレを見たら、ハイネが嫉妬しちゃうでしょ?」


優しく笑う。


「……オズ。」


「でも、そう言ってくれると嬉しいなー。オレもフランちゃんと離れたくなくなっちゃう。」


うーんと伸びをするオズの姿を見つめながら、私は涙を拭った。
ぼやけた視界じゃなくて、ちゃんとその姿を留めておきたい。

大切な仲間、友人。
少し変態だけど、そんなオズと出会えてよかった。

今ではそう思う。


「大丈夫。また会えるよ。…ハイネがオレを牢に入れなきゃね。」


はにかむオズ。
すると彼は突然ハイネに向かって指を突きつけ、私には分からない言葉で叫んだ。


「Dites une vraie chose!」


対して、ハイネも分からない言葉で、


「…C'est une chose que je décide.…口出しすんな。 」


そう言っては口元を歪める。


「早く行ってくれ、間に合わなかったら話にならない。」


ハイネの言葉に「へいへい分かりましたよー」と言いながら、オズは今度こそ本当に体を反転させて…




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