花嫁と咎人

「――…。」


脳内で組み立てられていくパズル。
当てはめられていくのは、知る人の名。


嗚呼、何となく分かった。

善は悪にもなり、悪は善にもなる。
真実と嘘。

嘘の真意と…嘘の裏側。


自分は、駒。
チェス番の上で踊る駒だったのか。


エルバートは、口を開く。


「…でも“彼”と“彼女”はそれを知らない…。」


その言葉にニヤリと笑うタリア。


「あとは運だ。…間に合うか、間に合わないか。死ぬか、生きるか。」


吐き出された煙が怪しく漂った時、全てが交差した。


「出会いも別れも、元を辿れば一本の糸。」


踊るのは、


「その先の事は誰も分からない。」


運命の人形。

舞踏曲を奏でるのは、



「その先を知るのは―…」







  万能の女神だけ。




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