花嫁と咎人

――…

過去は、今を刻む。


――――…
―――…


『…父上、それは真でございますか。』


『ああ、勿論。そうでなければ…何の為に国王と王妃を殺したのか…分からないではないか。』


『…ですが、その様な事は…、』


『口応えするなオーウェン。お前はただ、私の言う事を聞いていればいい。』


『―…承知。』


―――…

知られざる闇。

――――…
―――…


『―オーウェン様!』


『…なんだ?』


『どうやら巡回中の憲兵が、数人の異国人を見つけたようで。』


『そんな事か…下らない。適当に放っておけ。』


『ですが、中には銀色の髪に青色の瞳の男が…。この国では余りに目立ち過ぎるがゆえ、国民が動揺してしまう可能性も…。』


『―…今、銀色の髪に青色の瞳と言ったか。』


『…?ええ。』


『歳は?』


『恐らく十代後半かと…』


『……成程。今すぐ向かおう。』



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