花嫁と咎人

――…

語られざる嘘。


――――…
―――…


『…お前達は密国者として全員死刑とする。』


『っざけんな…!んな馬鹿な事があってたまるかよ…!』


『丁度いい、この銀髪は地下牢にでも放り込んでおけ。』


『…は!?ちょっ、クソ、離せ!』



―――…

すれ違った罪。


――――…
―――…


『…はい。今週分の新聞はこれだけ。』


『いつもありがとうございます。』


『…それにしても国外に興味を持つなんて、あなたも物好きね。』


『いえ、貴女ほどではありませんよ、アリシアさん。』


『そうかしら?私もあなた程では無いわ、オーウェン君。』


『…そういえば、ずっと前から気になっていたのですが…。』


『ん?何かしら?』


『何故いつも髪を隠しているのですか?』


『…えっと…、実は、わ、私赤毛なの。』


『赤毛?』


『そう、赤毛って見つかると…皆にいじめられちゃうから…。』


『…ああ、そうなんですか。すみません…不謹慎でした。』


『べ、別にいいの。気にしないで。』





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