花嫁と咎人
にやりといやらしい笑みを浮かべるアキを見て、
「い、」
無駄に赤くなってしまう顔。
ああ、駄目だ、駄目だ。
こんな奴になんで心中お察しされなきゃいけないんだ!
「図星ですかぁ?じゃあ、ああいう関係で良いんですね。」
「ああいうってなんだよ!」
「まぁまぁ。ところで何回ちゅーしたんですか?難攻不落の女王陛下を落とすだなんてなかなかやりますね。」
にっひっひっと眼鏡の奥から覗く目が、三日月形に笑っている。
こいつ、オズにも負けない変態だ!
「え、まさかいきなり夜だな痛たたたたたたたたたた!」
「―…殺すぞテメェ…!」
思わずアキの頬を爪でつまんで、思い切り引っ張った。
「爪!?爪!?何プレイですか!」
とかいいながら頬をさするアキ。
俺はそんな彼に向かって、
「…それで、フランはどこなんだ。会わせろ。」
そう言った。
…その刹那。
彼の表情が暗く沈み…下がる眉。
「あ、えーっと…無事は無事、なんですけど…」
まるで良く無い事でも会ったかのようなその口調に、思わず俺も眉をひそめてしまって。
「…どういうことだよ。」