花嫁と咎人

「礼なんてよしてくださいよ。悪ガキは感謝されるのとか、慣れてないんで。」


彼もまた笑いながら立ち上がった。


「それじゃあ、ありがとうと怒鳴りつけてやろうか。」


対して笑うルエラ。


「止めて下さいよー。ダブルパンチはキツイっす。」


オズは炭酸飲料を飲みながら顔をしかめた。


するとその時、とある新聞記者がやってきた。

一人はトレンチコートを着た女性。
もう一人は気の弱そうな佇まいのカメラを構えた男。


「あの、一つお伺いしても?」


女性の問いに、


「…何でしょう?」


首を傾げるルエラ。


「エスタンシアの弟さんはどうなされるつもりですか?」


「…勿論、助けに行くつもりだが。」


―…パシャ。


「………。」


「それではもう一つ。報道の自由については…どうでしょう?」


「嗚呼、それはの…」


―パシャ。


「後々…お、」


パシャ、パシャ。


「…あの、その、カメラ…フラッシュは止めてくれないか。」




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