花嫁と咎人

  ◆ ◇ ◆


ピクリ。

タリアが不意に顔を上げた。


「…タリアさん?」


朝に出されたお粗末なスコーンを咀嚼しながら、エルバートは彼女を見る。


だが、タリアはただ前を見つめるばかりで。
じっと、何かを感じたかのように…神経を尖らしていた。


「…タリアさん。」


そしてエルバートがもう一度問いかけ、覗き込んだ時。


「変わるね。」


そう小さく呟いて…彼女は息を吐く。




「もうすぐ、世界は…転機を迎える。」




< 408 / 530 >

この作品をシェア

pagetop