花嫁と咎人
◆ ◇ ◆
ピクリ。
タリアが不意に顔を上げた。
「…タリアさん?」
朝に出されたお粗末なスコーンを咀嚼しながら、エルバートは彼女を見る。
だが、タリアはただ前を見つめるばかりで。
じっと、何かを感じたかのように…神経を尖らしていた。
「…タリアさん。」
そしてエルバートがもう一度問いかけ、覗き込んだ時。
「変わるね。」
そう小さく呟いて…彼女は息を吐く。
「もうすぐ、世界は…転機を迎える。」