花嫁と咎人

「ここは神聖なる場所だ。…小娘が出てきていい所ではない。」



「私は小娘なんかじゃないッ!」



だが、いくら睨まれようと…女王はもう、ひるまなかった。

彼女自身こうなる事は既に予想していたから。


何の為にここまでやってきたのか。
―…そう、この悲劇を終わらせるためだ。

その為に自分は、ここに舞い戻ってきた。



「何が神聖な場所よ…、笑わせないで!もうあなたの好きな様にはさせないわ!」



例え自分が傷ついても、




「私が“私”である限り、」




そこに守るべき物があるならば、その身さえ挺して。




「この国を守り続けるのは当然の事!」



守らなければならない。


それが―…





「女王(私)の務めだから!」





そして彼女は彼から手を離し、剣を抜き払った。




< 477 / 530 >

この作品をシェア

pagetop