花嫁と咎人
「ここは神聖なる場所だ。…小娘が出てきていい所ではない。」
「私は小娘なんかじゃないッ!」
だが、いくら睨まれようと…女王はもう、ひるまなかった。
彼女自身こうなる事は既に予想していたから。
何の為にここまでやってきたのか。
―…そう、この悲劇を終わらせるためだ。
その為に自分は、ここに舞い戻ってきた。
「何が神聖な場所よ…、笑わせないで!もうあなたの好きな様にはさせないわ!」
例え自分が傷ついても、
「私が“私”である限り、」
そこに守るべき物があるならば、その身さえ挺して。
「この国を守り続けるのは当然の事!」
守らなければならない。
それが―…
「女王(私)の務めだから!」
そして彼女は彼から手を離し、剣を抜き払った。