花嫁と咎人
「でも姉の夫は鎖国中のエスタンシアに行ったっきり帰ってこなくて…それで、姉も彼を追ってエスタンシアに行ったの。」
馬鹿よね。
これじゃあミイラ取りがミイラになるだなんて馬鹿馬鹿しいわ、だなんて笑えないじゃない。
と呟くアンジェリカから、
「……編集長。」
ウィリーは目が離せなくなった。
刹那。
「おれ!」
彼は彼女の両手を握り、真っ直ぐその瞳を見つめた。
「不器用で、おっちょこちょいで、何にも出来ないけど…。」
「―…ちょっ、どうし…、」
「あなたを一人になんかしません!おれは、絶対死にませんから!」