花嫁と咎人
◆ ◇ ◆
フィレンツィリア領アスタンシア。
4番街・ブランタン。
「よーし、今日からお前達はおれの養子だ!」
「えー、やだべー。」
キラリと瞳を輝かせるジャック・カーンと反比例して、キャンベル姉弟は猛烈に引きつった顔をした。
「だー?何で嫌なんだ?」
「だっておじさん、髭じょりじょり。」
「じ…じょりじょりって、お前、」
すると、奥から大きな土鍋を持ったリサが現れて、
「ったく、面倒くさい話はよして。さあさ、ご飯の時間だよ!」
ドッカリと机の上に置くなり…姉弟は一目散に料理をつまみ始める。
「おいしいかい?」
「美味しいっぺよ!」
自然と笑顔が溢れるカーン夫妻。
姉弟にとっては、久しぶりの賑やかな食卓であった。
「…この子たちは、私達が育てるべきだね。」
「ああ、そうだな。ガッハッハ。」