花嫁と咎人



「―――…。」



森を抜けると、大きな海が見えた。



「まるで…あなたの瞳みたいね、咎人さん。」



私がそう言えば、優しく微笑み返してくれるハイネ。


そして潮風が二人を通り過ぎた時―…

交差したのは、青と緑の瞳。



「でも、海は照らしてくれるモノがなければ輝けない。」


そうだろ?
と私を見つめながら呟くハイネの頬に手を添えて、



「なら、私があなたを照らしてあげるわ。」



真剣に言葉を紡いだ刹那、
何処からとも無く祝福の鐘が鳴り響き、白い鳥が羽ばたいた。



「…―期待してる。」



自由に飛ぶ鳥達を見上げ…くすりと微笑む私達。




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