好きだからこそ
「よぉ」
そういって右手を上げた。
髪は茶色、耳にピアス。
規則より長い前髪と後ろ髪。
第三ボタンまで開いたYシャツ。
クシャッと落ちてるズボン。
真っ赤なインナーに、
くるぶし丈の黄色の靴下。
かかとが踏まれているシューズには、ワッペンやら何やらがついている。
でも、絶対
女装したら
私より可愛いんじゃないか、ってくらい美形。
まだ黒くなっていない肌。
長いまつげ。
キリッとした眉。
どうしてモテないのか不思議に思うくらいだった。
「何、そんな見つめてんの」
…?!