あなたに...


「んで、いつから?
まさかあの日からずっとじゃないよね?」

何も返すことができず
俯いていると

「はぁー、まぁいいや。
症状は?言える?」


自分が悪いんだけど
また先生に迷惑かけて
今度は呆れられてしまったと思うと
自然と唇を噛み締めていた

先生は真剣にこっちを
見つめていたがそれを見るなり
心配そうな顔をして

「どうした?言えないほど辛い?

横になる?」

といって私に近づき、額に手を当てた

「んー、熱はなさそうだね」

「すいません。大丈夫です」

「そう?じゃあゆっくりでいいから
症状教えてくれる?」


と言われ、最近体が怠く疲れやすいこと、よく目眩がすること、食事が摂れていないことを伝えた

先生は険しい顔になり

「ちょっと診せてね」

というと下瞼や爪、脈をとり

「採血しよっか」

といってきた

わたしはただ黙って頷いた



.



< 108 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop