あなたに...


夕方、図書館が閉まる時間まで勉強した。


帰り道、

「未紗、進藤くん振ったんだって?
あんなにかっこいいのに、もったいない。」


「私なんかじゃつり合わないよ。」



「嘘。理由それだけじゃないでしょっ?

好きな人でもいるの?」




「えっ、なんで?」



「なんでって、なんとなくなんだけどね、
未紗が嘘ついてるときとかわかる。」


"耶菜には嘘つけないなぁ"


「...うん。

忘れようと思うんだけどね、忘れられなくて...

そんな気持ちで付き合うなんて、相手に失礼だから。」



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