あなたに...
そんなことを考えていると
突然横から話しかけられた。
「あのぉ、隣いいですか?」
突然聞こえてきた男の人の低い声にびくつきながら
周りを見ると空いているのはこの席
だけだった。
私は"どうぞ。"と言って自分の
荷物を引き寄せて席を開けた。
"どうも。"と微笑む彼を見たときわずかながら
自分の体温が上がった気がした。
すらっとしていて、低い甘い声の彼は
視線を向けられるだけで
恥ずかしくなるほど整った顔立ちだった。