あなたに...




「大丈夫です。

なんか安心したら力抜けちゃって。」


そういうと

「そっか。」

っと微笑んでくれた。




「じゃあ、私帰ります。

耶菜のこと、よろしくお願いします。」


と言ってロビーに向かおうとすると




「まって。」


振り返ると先生が近づいてきた。




「遅いから送ってくよ。」


「大丈夫です。

家、ここから近いので。」


「いいから。

ちょっと待ってて。」



そういって診察室に入って行ったかと思うと


白衣を脱いだ、スーツ姿の先生が出てきた。


手には車の鍵を持っている。



「駐車場あっちだから、

裏口から出るね。」



そう言って歩き出す後ろ姿を見ていると



「ほら、行くよ。」


そういって手を引かれた。


私はうなずいて先生と駐車場へ向かった。





.
< 76 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop