モノクロ ―黒の中の白、白の中の黒―
けれど、彼は違った。


彼はとにかく、何をしても目立つ人だった。


入学式中に、金髪の髪を振り乱しながら体育館に駆け込んできたその瞬間、


一瞬にして彼は有名人になった。


それからというもの、彼の話題は絶えることなく学校中に広まっていくことになった。


彼の名前は入学一日目にして、学年中に広まり、一週間で全校生徒へと知れ渡っていった。


彼はいわゆる“問題児”だった。


その問題のスケールのでかさと、彼自身のもつ人を惹き付ける魅力的な人間性で


学校で彼の話題が絶えることはなかった。
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