ブラック or ホワイト
森さんと語り合う―――
「彩紗ちゃんにとって敬太くんは大切な人なのね?」
「え?」
私は森さんの言葉に顔が熱くなる。
「惚けたって、顔にはちゃんと書いてあるわよ?」
「も…森さん!!やめて下さい…」
「顔…赤くしちゃって…可愛い♪大切な人かぁ…」
森さんは、懐かしい記憶を思い出しているみたいだ・・・
「森さんは…大切な人はいるんですか?」
「昔はいたわよ…。心に決めた人がね。でも、私を置いてどこかに行ってしまったの。」
「今、その人に会えるとしたら…会いたいですか?」
「そうね。どんな風に変わってるのかしら。気になるわ。」
森さんは、そう言って懐かしそうに目を細めた。