ブラック or ホワイト



「彩紗ちゃん…どうしたの?」


「この窓の淵とかに…血が付いてないんです。床には血痕があるのに。どうしてですかね?それに…」


「それに…?」

金田さんは窓を見ながら私の話を聞く。


「窓に追い詰められていたって事は…前から襲われたって事ですよね?普通、犯人って顔とか見られたくないですよね?ん〜分からない…」


私は頭の中が混乱してくる。


「そうだね。明らかに不自然だ。不自然な事が1つに繋がらないって事は…手がかりと情報が少な過ぎるんだね。」

金田さんはそう言って腕を組み、難しい顔をした。


「違う場所も調べてみようか。」


金田さんの言葉に私は、部屋にあるデジタル時計を見た。


“07:15”


「金田さん!私…東京に戻ります。7時40分の船に乗らないと…。」


「そうか。じゃあ、俺は蒼島で情報を集めてみるよ。次会った時に情報交換しよう。」


「はい。」


私は急いで部屋に戻った━━━


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