ブラック or ホワイト
「アンタ、あの事については薄々勘づいているんだろう?」
私は警察署の薄暗い部屋に舞い戻された━━━
「……」
鬼下刑事の問いかけに、私は何も答えられない。
本当は気づいている。
あの事について。
敬太の正体━━━━
それは事件と事件を結ぶ唯一の接点だったんだ━━━…
***
「参ったなぁ…」
鬼下刑事は、ナチュラリィにセットされた髪を、手でくしゃくしゃにする。
それでも、ナチュラリィにまとまっている鬼下刑事の髪型。
ある意味、芸術だ。
コンコンコン…
部屋にノックの音が響く━━━
「はぁーい。入ってー。」
鬼下刑事の大きな声。
ガチャ…
鬼下刑事の部下らしき人が部屋に入ってくる。
「失礼します。鬼下警部。例の資料が見つかりました。」