氷雪花Ⅱ
「本当だな」

いつの間にか、琉架達がステージの上に上がっていた


「白愛は「姫君」じゃなくて「天使」だな」



私が「天使」・・・?



あの白くて儚くて気高くて純白な「天使」・・・?



白愛は反応に困っていた


白愛は「人形」「綺麗」「薔薇」「化け物」・・・、と色々言われてきたが、誰一人「天使」とは言わなかった


まぁ、それもそうだろう


白愛の本当の姿は、白銀の色をした悪魔


そして、殺し屋



こんな人を、誰が「天使」だと思うのだろうか


「なぁ・・・白愛、どこにも行かないでくれよ?」


シンとした中、琉架が一人口を開いた


『私は・・・どこにも行かない

逃げたりしない』


きっぱりと言い放つ


「そっか・・・」


ふわっと皆、笑った


それが、安堵の笑なのか、それとも・・・



いや


止めておこう



此処から先は、私が出だししていいところじゃない




私には必要ないものだから



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