DeepLove−彼の弟−

真っ暗な誕生日





その日は、朝からどんよりした曇り空で、夕方から雷が鳴り始めた。



昨日までの天気予報は、晴れのはずだったのに。




“夜は星がよく見えるでしょう”


天気予報士のお姉さんはテレビでそう言ってた。



だから今日は、彼と星を見に行く予定だったのに…



「これじゃあ、星は無理だなぁ…」


ため息をついて携帯を開く。




そろそろ、6時だ…

もうすぐ彼が迎えに来る。



2週間ぶりだなぁ…会うの。




5歳上の大人な彼。

会社員で毎日残業だから、なかなか会えない。




でも、今日は特別。





今日は、あたしの誕生日だから。






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