DeepLove−彼の弟−
「遠慮しないでおいで!受付なら私が七瀬ちゃんの分、後で済ませておくから大丈夫よ」
「…じゃあ、お邪魔させてもらおうかな」
たぶん、親戚の中にあたしがいたらもっと虚しくなるだけだろうけど…
直斗ママの笑顔には勝てないや。
だから、あたしは直斗ママと一緒に会場の横の部屋に行った。
ドアを開けると8人ほどいて、あたしを見ると1人のおばさんが声をあげた。
「あら〜!べっぴんさんやね!」
直斗ママはあたしのことを直斗の彼女だって紹介してくれた。
親戚の人に紹介されるのはちょっと照れくさかったけど、その反面、すごく悲しかった。
直斗が生きていたら…
あたしを紹介してくれるのが直斗本人だったら…
どうしてもそう思ってしまう。