DeepLove−彼の弟−




そこには、白い顔をした直斗がいた。



交通事故に遭ったのに、顔に傷はなくて、普通に寝ているだけのように見えた。


今にも目を開けてあたしに『おはよう七瀬』って微笑みかけてくれそうだった。




………でも死んでしまってるんだよね…


もうあたしに微笑みかけてくれないんだよね……




「…………なお…と…」



改めて直斗の死を目で感じたあたしは、その場に泣き崩れた。



「……直斗っ!…いやだ……死んじゃ嫌ぁ!!」




葬儀の途中なんて、みんなが見てるなんて、気にならなかった。




直斗への感情が溢れ出して止まらなかった。





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