DeepLove−彼の弟−
「七瀬ちゃん、あのね?」
ちょうどその時、直斗ママが話しかけてきて、あたしは直斗の弟と名乗る人物から視線を外した。
「これから親戚の人達だけで集まって食事するんだけど…七瀬ちゃんも来ない?」
「………え…?」
「さっきの七瀬ちゃんを見て思ったの。七瀬は直斗の大切な恋人だもの。もう私達の家族よ」
ね?と直斗ママは微笑みかけた。
「……………」
本当はそんな気分じゃないし、これから死ぬつもりだけど…
やっぱり直斗ママの笑顔には勝てない。
あたしも、一緒に食事に行くことになった。
「ふ〜ん、来るんだ?」
村崎健斗はあたしに向かって意地悪そうに笑った。