DeepLove−彼の弟−
「ひどいよ、みんな。そんなツラい話をよく七瀬に聞けるね」
その声にクラスメイト達が振り返る。
背の高い、金色の長い髪をした女子。
唇に塗られた真っ赤なグロス。
その口元にピアスが光る。
「七瀬の気持ちも考えなよ。興味本位で集まってくる野次馬って惨めだよ」
そう吐き捨てて、長くキレイな髪を揺らしてこっちに歩いてくる。
その子はあたしと目が合うとニヤリと笑った。
「おはよう、七瀬」