DeepLove−彼の弟−

闇を照らす光





それから、あたしは2時間目からの授業も出ずに家に帰った。




健斗のぬくもりに包まれて泣いたあたしはとてもクラスメイトに見せられるような顔をしてなかったから。


健斗と2人で、しかもこんな泣き腫らした目をして教室に戻ったら…それこそ野次馬の格好の餌食だ。




健斗はあれから教室に戻ったみたいだけど大丈夫だったかな…


どうせ…今ごろまた女子に囲まれてるんだろうな……



健斗が女子に囲まれてる姿を想像したはずなのに、

直斗が囲まれてる姿を想像してしまって嫌な気分になる。


さっきまで健斗といたのに、やっぱり思い出してしまうのは直斗の顔。




ふぅ……と溜め息をついてベッドに寝転がる。




なんとなく、まだ健斗のぬくもりを感じる気がした。





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