DeepLove−彼の弟−
だけど…今なら指輪はめれる気がするんだ。
少し震えた手で蓋を開ける。
“七瀬のおかげ”
こんなあたしでも自信持っていいよね?
指輪…してもいいのかな?
大きく深呼吸をして指輪を手に取ると、光を浴びてピンク色の宝石がキラキラ光った。
優しい色の光はなんだか直斗みたいだと思った。
左手の薬指にはめる。
その瞬間、
身体が、心が、指輪に反応した。
「…………っ!!!」
ふわっ…っと包み込まれたような温かさ。
まるで……
直斗に抱きしめられてるみたいな温かさ。
思わず涙が溢れた。