蜜蜂
16.理由
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■理由
甘く、響くように。
「今日のデザートはこちら。」
俺はそう言いながら、手に持った白い箱を開ける。
瞬間、亜也から歓声が上がった。
「モンブランだー!」
「きゃー」とか言いながら、パチパチと手を叩いている。
その反応に俺は笑い、紙皿にモンブランを一つずつ乗せ、プラスチックのフォークとともに一人づつに渡していく。
「いただきまーす!」
その掛け声とともに、見目麗しいモンブランに豪快にフォークが突き刺さった。
見る見るうちにぐちゃぐちゃになっていく美しいモンブラン。
…こいつらのケーキの食べ方は酷いと思う。
穴が無数にあいたモンブランが勿体無い…。
「澤木ちゃん食わないの?」
ヒカリの声に、そちらを向く。
亜也の隣に座っている杏花は、何やら難しい顔をしてモンブランとにらめっこしていた。
「き…澤木?」
名前を呼びそうになるのを抑えながら、彼女の顔をのぞき込む。
「…千明。」
「何?」
何やら神妙な顔をして俺に話しかけてきた。
「これ、買ってきたんだよね?いくら払えばいい?」
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■理由
甘く、響くように。
「今日のデザートはこちら。」
俺はそう言いながら、手に持った白い箱を開ける。
瞬間、亜也から歓声が上がった。
「モンブランだー!」
「きゃー」とか言いながら、パチパチと手を叩いている。
その反応に俺は笑い、紙皿にモンブランを一つずつ乗せ、プラスチックのフォークとともに一人づつに渡していく。
「いただきまーす!」
その掛け声とともに、見目麗しいモンブランに豪快にフォークが突き刺さった。
見る見るうちにぐちゃぐちゃになっていく美しいモンブラン。
…こいつらのケーキの食べ方は酷いと思う。
穴が無数にあいたモンブランが勿体無い…。
「澤木ちゃん食わないの?」
ヒカリの声に、そちらを向く。
亜也の隣に座っている杏花は、何やら難しい顔をしてモンブランとにらめっこしていた。
「き…澤木?」
名前を呼びそうになるのを抑えながら、彼女の顔をのぞき込む。
「…千明。」
「何?」
何やら神妙な顔をして俺に話しかけてきた。
「これ、買ってきたんだよね?いくら払えばいい?」
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