蜜蜂
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その言葉に、俺ら三人は首を傾げた。


「え、別に金とかいらないし。」


「これお金かかってないしねー。」


当然というように話す俺と亜也を見て、杏花は意味不明とでも言いたそうな顔をしている。


「澤木ちゃん、これね、千明のバイト先のだからタダなんだよ。」


自分の分を食べ終わったヒカリが、口にプラスチックフォークをくわえたままそう口を挟む。
そして俺のモンブランに手を出そうとするので、俺は横から蹴りを入れた。


「バイト?千明バイトしてたんだ。」


「うん、週3で。」


「えっと…ケーキ屋さん?」


「うん。」


俺は答えながらヒカリが狙っている自分のモンブランを食べる。


「ケーキが余ったらバイトさんがタダで持って帰ってよくってね、それをちぃが持ってきてくれるんだよ。
ようするにこれは、昨日売れ残ってしまった可哀相なケーキさんというわけだよ。」


亜也フォークを指示棒のように振りながら、代わりに説明をしてくれた。


「しかもそのケーキ屋さんね、カフェコーナーもあって可愛いんだよー」


「へぇ…素敵だねー」


気づいたら、女の子って感じの会話が展開していた。


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