蜜蜂
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「なんか…印象に残る人ね、束沙さん。」


彼女は水に口をつけながら言った。


「まぁね、一番テンション高いし。ちなみに旦那はうってかわって冷静なやつだよ。」


「旦那?」


「ここのパティシエ。章(アキラ)って言うの。」


「……束沙さんっていくつ?」


「ん?今年で25。」


「…あのテンションで?」


「うん。」


杏花は「すごい…」と言いながら、頭を抱えていた。
確かに25であそこまでのテンションは家族でも驚くよ。



「お待たせしましたぁー」


両手にお盆をもって、元気よく束沙がそう言った。


「ねぇねぇ、そういえば二人ってどういう関係なの?」


テーブルにケーキやらカップを置きながら、束沙が楽しそうに尋ねてきた。



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