蜜蜂

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「むぐっ！むぐぐーッ！！！」


ヒカリがもがき始めた。
俺が手を離すと、ヒカリはゼハゼハ言いながら空気をめ一杯吸い込んでいた。
そして一言。


「何すんだよ！死にかけただろっ！」


怒るヒカリの呼吸は荒い。


「大丈夫。お前なら世界が滅んでも生きてけるよ」


と、笑って言ってやった。


「あのなぁ…てか、相手澤木だったんだな。」


「そ。言うなよ？」


「言わねぇよ。女からの株は落とさないの。」


「…あそ」


言ったところでヒカリに対する澤木の株は減るのだろうか。
それ以前に､澤木はヒカリを知っているのだろうか。
ていうか澤木の名前間違えて教えるなよ。
そんなことを思ったが、口にしたら後々大変そうだからやめた。
澤木のことは後から聞けるし。


「ねぇー、何の話してんのー？」


「亜也」


そいつは席を立って、ちょうどヒカリの前の席のやつが休みだったからか、そこに座った。
先生が来ないからって席移動までするのもどうかと思うけど。


「よっと」


亜也は後ろを向くために椅子に跨る。
女なんだし、スカート短いんだし、もう少し遠慮してほしいと思う行動だ。



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