蜜蜂
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「そういやさぁ、ちぃ女の子切ったんでしょ?
何?一体どうしたの?病気?」


椅子を前に傾けながら、俺を真剣に見てくる。
横ではヒカリが亜也の発言に笑いを堪えていた。


「別に病気じゃないし。その前に、俺女好きの遊び人じゃないし」


と、否定した。


「ふーん、まぁいいけどさ。みーんなあたしに何でって聞いてくんの。
仲介役大変なんだから」


「ありがと。」


「…少しもそう思ってないでしょ?」


「うん。いつものことだし。」


そう返すと、亜也は長いため息を吐いた。


「…で?何で切ったの?好きな人でも出来た?」


楽しそうに詰め寄ってくる。
ヒカリも興味を示し、同じように顔を寄せてくる。
教室で三人で内緒話…異様な光景だな。


「うん。」


「誰?!」


「…」


質問に答えたらまた質問された。
しかもハモって。
忙しい奴らだなぁ。そんなに人の恋愛は面白いんだろうか。
でも、答えた。


「杏花。」




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