蜜蜂
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「きぃの腕とか脚とかにたぁくさん痣があったの!
どうせちぃがやらしいことしたんでしょ!!」


「……」


「何よ、何とか言ったらどうなの!?」


俺の頭をガクガクと鳴るほど揺らしながら、ヒステリック気味に叫び、少し息を切らして亜也はまた睨みつけてきた。
えーと…。


「…亜也、千明があんなこととかこんなこと出来る人間だと思う?
例え独占欲の塊でも、小心者な千明には出来ねぇよ」


や、ヒカリそれフォローになってないから。
本当にこいつらは俺を何だと思ってるんだろうか……。


「とにかくそういうことだから…離せ。死ぬ。」


未だ胸ぐらを掴まれ、宙ずり状態のままではいづれ窒息死してしまう。


「う、…ごめん」


亜也は手を離し、何やら落胆したように下を向いた。




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