蜜蜂

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「だってあの時の里佳ちゃん､投げやりだったじゃん」


「？」


里佳がわからないというように首を傾げた｡
そんな里佳を見て笑い､続ける｡


「前の里佳ちゃんはさ､彼氏のこと楽しそうに話してただろ？
彼氏の好きなとことか嫌いなとことか､ノロケたり愚痴ったりしてさ｡
幸せそうに笑ってたんだよ､里佳ちゃん｡
あの時､恋愛してる女って綺麗だなって思った｡

…でも今の里佳ちゃんは違うでしょ｡
ねぇ､なんで急に俺に固執するようになったの」


尋ねると､里佳は顔を真っ赤にしてうつ向いた｡
眉が下を向いているので､怒っているわけではないようだ｡



「……ごめんなさい」



一言､小さな声でそう言われた｡
俺はそれ以上何も言わず､里佳の頭を撫でた｡



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