蜜蜂
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「…何話せって言うんだよ……」



ため息と一緒に言葉を吐いた。

あいつらのことが一件落着したからって、すぐに話せるほど話題を持ってるわけでもなくて。

多分、君を前にすると何も話せなくなる。

そう、わかってるのに。






「…っしょ」


手をついて立ち上がる。
ヒカリに蹴られた腹が、少しだけ痛んだ。
制服についた埃を手ではらい、前を向く。





君がどこにいるかなんてわからないけど。







やっぱり心が君を呼ぶから、行くよ。



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