蜜蜂

06.空回り

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■空回り






壊れるくらいなら、知らないままでいて。




学校。教室に入り席に着く。


「千明ーおはよぉ!今日も愛してるよー!」


廊下から女が満面の笑顔でそう叫んできた。


「はよ。」


「えーっ!今日は愛してるって言ってくれないのぉ?」


「はいはい。愛してる愛してる。」


面倒くさそうに、投げやりに言った。
直後、ダンと机を叩かれた。


「おはよ。朝から元気だなぁ…手、痛くないの?ヒカリ。」


「うるせぇ。」


笑ってそう言ったら、睨まれた。
機嫌が悪いらしい。何故機嫌が悪いのか考える。


「…昨日何でメール返さなかったんだよ。」


ああ、それか。


「ごめん。デート中だったから。」


夕方までだけど。


「内容、一通も見てないだろ。」


「…そんなに大事な用事?」


「…。」


黙ってしまったヒカリ。
…いったい何なんだろう?
こんなヒカリ、いつもと違いすぎて…不気味だ。



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