蜜蜂

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「…は？」


俺は間抜けな声で聞き返した。
亜也が俺を好き？あるわけないじゃん。
首を動かして亜也を見ると、口をあけて驚いていた。
そして、俺とヒカリを交互に見ては、眉を寄せて泣きそうな顔をしている。
俺は面倒くさくなってきて、ため息をついた。


「なぁ、それどこで知ったの？」


ヒカリに向き直り、尋ねる。


「…お前が“きょうか”ってやつの話したとき、亜也が辛そうな顔したんだよ。
本気になったらこのままじゃいられないって。」


ヒカリは少し苛立っているようだった。
なるほど。


「それで？それだけじゃ俺の質問に答えてないじゃん。“亜也が俺を好き”って、誰が言った？」


「…それは……。」


ヒカリに戸惑いが混ざり、俺の胸ぐらを掴む手が緩んだ。
…やっぱりこいつは馬鹿だ｡
そしてまた亜也に目をやった。
心配そうにこちらを見てるが、もう知らない。
俺が困るから。



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