蜜蜂
07.聞きたい
.
■聞きたい
繋がってるって実感させて。
俺は屋上を後にし、階段をかけ降りながら携帯を取り出す。
そしてリダイヤルを開いた。
あいつらなら問題ない、きっとうまくいく。
ただネックなのは、ヒカリが最近振られたことだけ。
引きずってなきゃいいけど…まぁ、なんとかなるだろう。
「っ、ブレて見えねぇ。」
階段を一段降りる度、携帯が揺れて画面が見にくい。
なんとか発信ボタンを押し、耳に当てながらひたすら階段を降る。
昼休みなら多分気づいてくれる。
昼休みなら、電話に出てくれるかもしれない。
そんな淡すぎる期待を胸に、脳では「早く」と急かし続ける。
気持ちが思考についていかない。
「あ、ちぃちゃん!って、えぇ?」
途中で女に話しかけられたが、立ち止まる余裕なんてなかった。
後ろから「ちぃちゃんってばぁっ!」と、引き留めようとする声が聞こえたが、無視。
階段を降り終わった俺は、目的地へ真っ直ぐ走る。
「…っ、早く…!」
自分の走りへの文句なのか、電話への催促なのか、俺自身よくわからなかった。
.
■聞きたい
繋がってるって実感させて。
俺は屋上を後にし、階段をかけ降りながら携帯を取り出す。
そしてリダイヤルを開いた。
あいつらなら問題ない、きっとうまくいく。
ただネックなのは、ヒカリが最近振られたことだけ。
引きずってなきゃいいけど…まぁ、なんとかなるだろう。
「っ、ブレて見えねぇ。」
階段を一段降りる度、携帯が揺れて画面が見にくい。
なんとか発信ボタンを押し、耳に当てながらひたすら階段を降る。
昼休みなら多分気づいてくれる。
昼休みなら、電話に出てくれるかもしれない。
そんな淡すぎる期待を胸に、脳では「早く」と急かし続ける。
気持ちが思考についていかない。
「あ、ちぃちゃん!って、えぇ?」
途中で女に話しかけられたが、立ち止まる余裕なんてなかった。
後ろから「ちぃちゃんってばぁっ!」と、引き留めようとする声が聞こえたが、無視。
階段を降り終わった俺は、目的地へ真っ直ぐ走る。
「…っ、早く…!」
自分の走りへの文句なのか、電話への催促なのか、俺自身よくわからなかった。
.