蜜蜂
10.こっちをむいて
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■こっちをむいて
俺のことだけ考えていてくれたらいいのに。
「千明、次移動だってさ。」
俺を起こすため、少し大きめの声で言うヒカリ。
それに「あぁ」と返事をし、体をおこして伸びをした。
「お前よく寝るよなぁ…そのわりには成績いいよなぁ。」
ヒカリが恨めしそうに見てくる。
「別によくないよ。」
そう言って、引き出しからペンケースとルーズリーフだけ取り出した。教科書は全部家。
今の言葉はヒカリにとったら嫌味にしか聞こえないかもしれない。
でも事実だ。
たしかに400人中50位以内にはいるが、杏花はいつも10位以内にいる。
順位なんてどうでもいいことだが、この数字の差さえ、彼女を遠く感じる理由の一つに思えてしまう。
「追いつけなきゃ意味がない。」
「は?何に?」
俺の言葉にヒカリは首を傾げていた。
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■こっちをむいて
俺のことだけ考えていてくれたらいいのに。
「千明、次移動だってさ。」
俺を起こすため、少し大きめの声で言うヒカリ。
それに「あぁ」と返事をし、体をおこして伸びをした。
「お前よく寝るよなぁ…そのわりには成績いいよなぁ。」
ヒカリが恨めしそうに見てくる。
「別によくないよ。」
そう言って、引き出しからペンケースとルーズリーフだけ取り出した。教科書は全部家。
今の言葉はヒカリにとったら嫌味にしか聞こえないかもしれない。
でも事実だ。
たしかに400人中50位以内にはいるが、杏花はいつも10位以内にいる。
順位なんてどうでもいいことだが、この数字の差さえ、彼女を遠く感じる理由の一つに思えてしまう。
「追いつけなきゃ意味がない。」
「は?何に?」
俺の言葉にヒカリは首を傾げていた。
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