蜜蜂
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「!」


思わず振り返ると、恵里佳が楽しそうに笑っていた。
…そういえば見られてたっけ。
しかも聞かれたらしい。きっとヒカリが大声で言ったからだ。


「あの黒髪の子、本命なんでしょ?」


近よりながら聞いてくる。その言葉に俺も笑い、答える。


「違う、あの子は本命じゃない。」


「…嘘下手ね。」


「嘘じゃないさ。あんなに純粋そうな子じゃない。
俺の本命は、気が強くて、自分を一番大切にしてるやつだから。」


そう言い、彼女たちに背を向け歩き出す。

別に嘘はついていない。
確かにデートのときの清楚そうな感じも彼女だけど。

でも。

いつもの蜂蜜色の彼女が、俺にとって一番だから。







どんなに着飾っても、そのままの君が一番好き。



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